
デジタルカタログ制作の流れ7ステップと入稿・納品
デジタルカタログ制作を依頼してから公開するまでの流れを7ステップで解説。問い合わせ前の準備、入稿、初稿確認、スマホ検収、納品物、公開後の更新まで、発注担当者が各工程で確認すべき項目と遅れを防ぐ役割分担をチェックリスト付きで整理する実務ガイドです。
デジタルカタログ制作の流れ7ステップと入稿・納品
デジタルカタログ制作は、要件整理、データ確認、見積もり・発注、入稿、初稿確認、修正・検収、納品・公開の7ステップで進みます。発注側が原稿を渡したら終わりではありません。初稿をどの端末で確認するか、誰が修正を取りまとめるか、何をもって納品完了とするかまで先に決めることが、手戻りを防ぐポイントです。
制作期間はページ数、元データの状態、追加機能、修正回数によって変わります。そのため「一般的に何日」と決めつけず、見積もり時に各工程の予定日と回答期限を確認してください。発注担当者が行う作業を実務の順番で整理すると、期限と確認責任が見えやすくなります。
この記事でわかること
- 問い合わせから納品・公開までの7ステップと、QuickBookへ依頼する具体的な流れ
- 発注側と制作側の責任分担
- 入稿前とスマホ検収で確認する項目
- 制作が遅れやすい原因と避け方
問い合わせ前に準備する4つの情報
詳細な仕様書を作る必要はありません。まず、目的、元データ、公開方法、希望時期の4点を1枚にまとめます。ここが曖昧なままだと、初稿ができてから「想定していた使い方と違う」と気づきやすくなります。
目的と読者
「紙をデジタル化したい」だけでなく、誰に読んでもらい、次に何をしてほしいかを書きます。たとえば「展示会来場者がスマホで商品を見て、問い合わせフォームへ進む」「取引先だけがマニュアルを閲覧する」のように、読者と期待する行動を一組にするのがポイントです。目的が分かれば、外部リンクや公開制限など、必要な条件を制作側と相談しやすくなります。
元データの種類と状態
PDF、画像、デザインデータ、紙の冊子など、手元にあるものを確認します。ページ数、ページ順、縦横の向き、見開きの有無、差し替え予定も伝えてください。制作サービスによって対応する入稿形式は異なるため、「PDFがあるからそのまま使える」とは限りません。
公開方法
自社サイトからリンクするのか、QRコードで配布するのか、制作会社のサーバーを使うのか、自社サーバーへ設置するのかを決めます。公開先が未定なら、閲覧期間、想定アクセス数、社外公開か限定公開かを伝え、候補を提案してもらいます。
希望公開日と社内承認者
展示会や新商品発売など動かせない日がある場合は、公開日だけでなく、その前に必要な社内確認日も示します。営業、広報、法務など複数部署が確認する場合は、最終承認者と修正意見をまとめる担当者を決めておきます。
一般的な受託制作は、相談、要件整理、入稿、データ確認、見積もり、制作、確認、納品の順に進みます。ただし、正式発注と入稿の前後関係、金額を確定する時点、修正回数は会社ごとに異なります。契約前に依頼先の工程と注文確定の条件を確認してください。
デジタルカタログ制作の流れ7ステップ
1. 要件を整理する
最初に、用途、読者、ページ数、公開先、必要な動作、希望公開日を共有します。外部サイトへのリンク、動画、閲覧制限などを希望する場合は、この段階で「必須」と「できれば欲しい」に分けて伝えます。
発注側の完了条件は、要望を一度伝えることではありません。制作範囲、支給するデータ、公開後の運用について、制作側と認識がそろっている状態が完了です。口頭で打ち合わせた内容も、メールや要件表に残してください。
2. 元データを確認する
制作側が、ファイル形式、ページ数、サイズ、画質、ページ順、加工の要否を確認します。ページ抜けや低解像度の画像は、入稿前の差し替え対象です。デザインや文章の制作も依頼する場合は、素材だけでなく掲載文、ロゴ、使用できる写真の権利も確認します。
この工程でデータを見せず、ページ数だけで見積もりを確定すると、変換や補正が必要になった際に追加費用が生じることがあります。可能であれば、全ページまたは代表ページを事前確認用として渡します。
3. 見積もりを確認して発注する
見積書では、基本制作、ページ加工、追加設定、修正、サーバー、設置、納品物を分けて確認します。金額だけでなく、発注後に何が変わると追加費用になるか、初稿提出と発注側の確認期限、注文確定の条件も読み合わせます。
制作会社によって、発注書の返送、契約、入金など注文確定の条件は異なります。希望公開日がある場合は、「発注日から何日」ではなく、入稿日、初稿確認日、修正回答日、公開日の4点を具体的な日付でそろえると管理が容易です。見積もりの依頼項目はデジタルカタログの見積もり依頼ガイドで詳しく整理しています。
4. データを入稿する
確定した方法でデータを送ります。ファイル名にはページ順が分かる連番を付け、「表紙を1ページ目として数える」など数え方も伝えてください。外部リンクを設定する場合は、対象ページ、掲載位置、リンク先URLを一覧にします。
入稿後の差し替えは、制作済みページのやり直しにつながります。未確定のページがあるなら黙って送らず、「10ページ目は8月5日に最終版へ差し替え」と書いてください。制作を先に進められる範囲と、待つ範囲を制作側が判断できます。
5. 初稿と動作を確認する
初稿では誤字だけでなく、ページ順、画像の欠け、リンク先、拡大時の見え方、操作性を確認します。PCだけで承認せず、実際の読者が使うスマホでも開いてください。社内確認者には同じURLと確認期限を渡し、修正指示を一人が取りまとめます。
修正は「ここを直してください」ではなく、「12ページ右下の商品名をAからBへ変更」のように、ページ、場所、変更前、変更後を示します。画面キャプチャに番号を付ける方法も有効です。
6. 修正後に検収する
制作側が修正したら、指示箇所だけでなく、その前後のページと全体動作を再確認します。修正によってページ番号やリンク位置がずれることがあるためです。検収は「見た印象」ではなく、事前に決めたチェック項目をすべて満たすかで判断します。
問題がなければ、発注側が校了または検収完了を明示します。公開後の文章差し替えが別料金になる場合もあるため、未承認の箇所を残したまま完了にしないでください。
7. 納品物を受け取り公開する
納品方法は、HTMLなどのファイル一式を受け取る方法と、制作会社のサーバー上で公開URLを受け取る方法に大きく分かれます。ファイル納品では、解凍方法、設置先、開始ファイル、フォルダ名を確認し、実際のサーバーへ置いた状態で最終テストをします。
URL納品では、公開URL、契約期間、更新方法、閲覧を停止する条件を確認します。QRコードや紙の案内物でリンク先の変更を避けるには、最終URLの確定と動作確認を終えてから作るのが安全です。ファイル納品を選ぶ場合は、自社サーバーへ設置できるデータ一式が契約に含まれるかも確認します。
発注側と制作側の責任分担
誰が判断するかを曖昧にすると、互いに相手の返事を待つ時間が増えます。少なくとも次の分担を案件ごとに確認します。
| 項目 | 発注側が担うこと | 制作側が担うこと |
|---|---|---|
| 目的・要件 | 読者、用途、必須条件を決める | 実現方法と制約を説明する |
| 元データ | 正しい最新版と使用許諾を確認する | 形式、欠損、加工の要否を確認する |
| 見積もり | 範囲、金額、日程を承認する | 作業範囲と追加条件を明示する |
| 制作 | 質問へ期限内に回答する | 合意した仕様で初稿を作る |
| 修正 | 意見を一本化して具体的に指示する | 修正反映箇所を明示する |
| 検収・公開 | 全端末で確認し、完了を承認する | 納品物と公開手順を案内する |
入稿前チェックリスト
- ページ数とページ順が確定している
- 全ファイルが依頼先の対応形式になっている
- 画像のサイズと縦横比に大きなばらつきがない
- ファイル名に
001、002のような連番がある - 表紙、裏表紙、白紙ページの扱いを指定した
- 差し替え予定のページを明記した
- リンク先URLと設定ページを一覧にした
- ロゴ、写真、文章を公開する権利を確認した
- 公開してはいけない個人情報や社内情報がない
- 入稿後の連絡担当者と承認者を伝えた
スマホを含む検収チェックリスト
読者と近い環境で確認します。特定の一台だけではなく、可能であればiPhoneとAndroid、PCの主要ブラウザを含めます。
- 表紙から最終ページまで正しい順番で開く
- 縦長・横長の画面で主要な操作が隠れない
- 小さな文字を拡大して読める
- 画像が欠けたり、不自然に引き伸ばされたりしない
- 前後のページへ意図どおり移動できる
- すべての外部リンクが正しいページを開く
- 電話番号やフォームへの導線が意図どおり動く
- 読み込み中や通信が遅い状況でも操作不能にならない
- 公開URLを社外ネットワークから開ける
- 修正指示がすべて反映されている
制作が遅れやすい原因と回避方法
| 遅れやすい原因 | 回避方法 |
|---|---|
| 入稿後も原稿が頻繁に変わる | 未確定ページを分け、最終版の提出日を決める |
| ファイル名からページ順が分からない | 3桁の連番とページ一覧を付ける |
| 複数部署が別々に修正を送る | 発注側の窓口が一つの指示書へ統合する |
| スマホ確認を最後まで行わない | 初稿の時点から実機で確認する |
| 追加機能を制作中に決める | 必須・任意を要件整理時に分ける |
| サーバー担当が決まっていない | 見積もり前に設置担当と公開手順を確認する |
| 検収の基準がない | 入稿前にチェックリストと承認者を決める |
制作側の作業日数だけでなく、発注側の確認待ちも日程に影響します。各工程に「提出日」と「回答期限」を置き、遅れるときは公開日への影響を共有してください。
納品物と公開後の更新を確認する
納品時には、閲覧できることに加えて、次の情報を受け取ります。
- 公開URLまたは納品ファイル一式
- 自社サーバーへ設置する場合の手順
- 納品物に含まれる画像、HTML、設定ファイルの範囲
- バックアップ方法と再ダウンロードの可否
- ページ差し替え、リンク変更、追加制作の依頼方法
- 不具合と内容変更を分ける基準
- 保守期間、問い合わせ先、契約終了後の扱い
更新の多いカタログでは、「誰が、どの元データを、いつ更新するか」も運用表へ残します。前回の納品物へ直接上書きして元に戻せなくなる事態を防ぐため、公開前の版をバックアップしてから差し替えてください。
QuickBookへ依頼する場合の流れ
QuickBookは、ページ画像からページめくり形式のHTMLビューアを制作する受発注型サービスです。入稿できる形式はPNG、JPG、JPEGのみで、PDFは直接入力できません。PDFしかない場合は、各ページをPNG、JPG、JPEGのいずれかへ書き出して準備します。
依頼は次の順番で進められます。
- 無料体験で手元の画像とスマホ表示を確認する
- ページ数、画像形式、公開先、希望内容を相談する
- 制作条件と見積もりを確認して申し込む
- ページ順に並べた対応画像を入稿する
- 作成されたビューアのページ順、表示、リンクなどを確認する
- 修正内容を確定し、検収する
- 自社サーバー用データを受け取るか、弊社サーバーの公開URLを受け取る
料金は、自社サーバーで公開する買い切りプランが1冊¥10,000〜、弊社サーバーで公開するプランが月額¥5,000〜です。オーダーメイドのカスタマイズは¥50,000〜、自社サーバーへの設置代行は**¥15,000〜**で、内容に応じて見積もります。
よくある質問
デジタルカタログ制作には何日かかりますか?
ページ数、データの状態、追加設定、修正回数によって変わるため、一律の日数では判断できません。見積もり時に、入稿日、初稿日、修正回答日、納品・公開日を分けて確認してください。発注側の社内確認に必要な日数も含めて予定を組みます。
入稿した後にページを差し替えられますか?
差し替えの可否と費用は依頼先によって異なります。制作開始後は加工済みページの再作業になることがあるため、変更予定が分かった時点でページ番号と最終版の提出日を伝えてください。
初稿では何を確認すればよいですか?
誤字だけでなく、ページ順、画像の欠け、リンク先、拡大表示、スマホ操作、公開範囲を確認します。複数人で見る場合は、修正を一つの指示書へまとめてから制作側へ送ります。
PDFだけでもQuickBookへ依頼できますか?
QuickBookはPDFを直接入力できません。PDFの各ページをPNG、JPG、JPEGのいずれかへ書き出して入稿します。書き出し方や画像の状態が分からない場合は、ページ数と手元のデータを添えてご相談ください。
納品後は自分で公開できますか?
自社サーバー用のファイル一式を受け取る場合は、案内された構成を保ってサーバーへ設置し、公開URLで動作確認します。社内に設置担当者がいない場合は、見積もり時に設置代行の範囲を確認してください。
まとめ
デジタルカタログ制作は、要件整理から納品までを7ステップに分けると、発注側が次に何をすべきか明確になります。特に重要なのは、入稿前にページ順とファイル形式を確定すること、初稿をスマホでも確認すること、検収完了と公開後の更新条件を言葉にすることです。
QuickBookでの制作可否や必要な画像形式が分からない場合は、用途、ページ数、手元のファイル、公開先を添えてお問い合わせください。PDFの場合は対応画像への書き出しが必要ですが、準備するデータと納品方法から整理できます。